ランディングページの案件を引き受けると、打ち合わせ中にこんな質問が出ることがある。
LPにもSEO対策、お願いできますか?
クライアントとしては、せっかく作るなら検索からも来て欲しいし、とにかく多くの人に見てもらいたい。気持ちはよく分かる。でもここで「もちろんやります!」と二つ返事で引き受けるのは、実はあまりよくない。なぜなら、LPとHPは、そもそも役割が違うページ構成・集客手法だから。よく考えずに引き受けると、後で「思ったほど検索から人が来ない」と揉めることになる。
この記事では、なぜLPとSEOは噛み合わないのか、それでも最低限やっておくべき設定は何か、そして「LPにもSEO対策して!」と言われた時にどう返せば信頼を失わないのか、を順番に整理する。
結論を先に
細かい話に入る前に、結論をシンプルに言うとこうなる。
- LPで「がっつりSEOだけで集客」はあまりおすすめしない
- 理由は、LPは「広告から来た人に申し込んでもらう」ためのページで、「検索から幅広く集客する」ためのページじゃないから
- SEOで本気で集客したいなら、LPより「ホームページ全体(複数ページ)」を育てる方が、効率がいいことが多い
じゃあ「なぜそうなるのか」と「LPでどこまでSEO対策打てるのか」をひとつずつ見ていく。
そもそもLPって、何をするページ?
SEOの話に入る前に、LPの特徴をざっと整理しておきたい。
- 1ページに情報をギュッとまとめた「申込専用ページ」
- 広告やメール、SNSのリンク先として作られることが多い
- 目的は「読ませること」じゃなくて「行動してもらうこと」(資料請求・問い合わせ・購入)
- ナビゲーション(メニュー)をあえて削って、CV(成約)に集中させる
つまりLPは、「今、目の前にいる見込み客に、ここで決断してもらうための営業ツール」。読み物でも、情報提供でもない。
LPとHPは、そもそも役割が違う
同じ「Web集客」に見えて、LPとHPは狙っているお客さんも、設計の考え方も、全然違う。
広告から来た人に行動してもらう
1ページで決断させる。
検索から来た人を複数ページで成約まで導く
SEOで長期的に集客に繋ぐ。
LPは「今この場で買ってもらう」、HPは「将来の見込み客を育てて集める」。役割を混ぜると、どっちつかずになる。
LPがSEOと相性が悪い理由
LPの「特徴そのもの」が、実はSEOにとって不利になる。
- 1ページしかないから、狙えるキーワードが少ない
- ナビゲーションがないから、内部リンク構造が作れない
- CVに振り切った構成だから、検索者向けの情報量としては足りない
つまり、「色々なキーワードで検索から幅広く人を集めたい」のにLP1枚で勝負するのは、相当ハードルが高い。検索エンジンから見ると、「このページ、何の専門なの?」が伝わりづらい構造になっている。
でも「LPにSEOは一切不要」というわけでもない
絶対NGではなくて、こういうケースではLPにもSEOを入れる価値がある。
- 指名検索を取りたい時:「サービス名 + LP」で検索された時に、ちゃんと公式LPを表示させたい
- キーワード1〜2個に絞る時:そのテーマ専用のLPなら、ニッチなキーワードで上位を取れることがある
- 広告のおまけで取れたらラッキー、くらいの温度感で取り組む時
LPでやる「最低限のSEO」チェックリスト
ここまで前提を共有した上で、デザイナーがLPで最低限やっておくべきSEO設定。クライアントに「これだけは入れてます」と言える項目は以下。
基本設定
- titleタグに、狙うキーワード + サービス名を入れる
- meta description で「誰向けに・何のページか」を説明する
- URLが極端に長くなく、内容と合っている
コンテンツ構成
- ファーストビュー付近に、狙うキーワードを含んだh1がある
- セクションごとにh2/h3で見出しを切る(デザインの大きさではなく構造で)
- 不自然にならない範囲で、本文中にキーワードと関連語を入れる
- スマホで読みやすく、表示速度が極端に遅くない
画像まわり
- 主要な画像にalt属性を設定する
- 画像サイズを最適化して、読み込みを遅くしない
技術面
- 検索に出したくないLPなら、noindexを入れる
- 検索にも出したいLPなら、ちゃんとindexableな状態にする
- 404のリンクや、明らかなエラーページが無い
※ ここに出てくる h1/meta/alt などの基本用語は、別記事「デザイナーが押さえるSEOの基礎」でもう少し詳しく記載あり。
「LPにもSEO対策してほしい」と言われた時の答え方
そういう時、私はこう答えている。
LPには基本的なSEO設定はきちんと対応いたします。ただ、検索で広く集客するのはLPだけだと限界があるので、長期的なSEO集客はホームページやブログ側に注力することをおすすめしています。
もう一歩踏み込む時は、こう。
このLPは広告からの申込を増やすことに特化して作ります。SEOは「タイトル・見出し・altなどの基本部分」までは対応して、本格的なSEOによる集客はホームページ側でやる、という分担が一番効率的です。
これが言えるだけで、クライアントは「この人ちゃんと考えてくれてる」と感じる。
「ホームページを優先しましょう」と言っていい場面
LPよりも先にホームページのSEOを提案した方が話が通りやすいのは、こういう条件。
- 「無料相談」「資料請求」など、検討期間が長いBtoB商材
- 今後ブログやお役立ち記事を増やしていきたい
- 「〇〇やり方」「〇〇比較」など、情報収集系のキーワードでも集客したい
- 会社として、今後もWeb経由の問い合わせを継続的に増やしていきたい
こういう時はストレートにこう提案できる。
本気で検索から集客したいなら、LP単体ではなく、ホームページ+ブログをしっかり作った上で、必要なところでLPを組み合わせる方が、結果的にコスパが良いですよ。
こう言えるデザイナーは、もう作り手じゃなくてマーケのパートナーとして見られる。
最後に
「LPにもSEO対策して!」と言われた時、ただ「はい」と引き受けるのは、デザイナーとしてもクライアントとしてもベストじゃない。
大事なのは、LPは何のためのページか、SEOは何のための仕組みか、その2つの役割を切り分けて説明できること。そうすれば、「LPには最低限のSEOを入れて、本格的なSEOはホームページ側でやりましょう」という、お互いに納得のいく分担が見えてくる。
LPは広告の着地点。SEOはサイト全体の長期戦。同じ「Web集客」でも、使う場所も戦い方も違う。
役割を切り分けて、最低限やる範囲と、別途必要な施策をはっきり分けて提示できる。それが、ただ納品して終わるデザイナーと、案件を任され続けるビジネスパートナーとの分かれ目になる。